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戦争体験者のおじいちゃん

先日、戦争を体験した瀧本さんの話を聞きに行ってきました。
京都にあるミシマ社と「自由と平和のための京大有志の会」が主催の
「ひろば <戦争できる国>にしないためのちゃぶ台会議
 ―戦後70年、元海軍兵の言葉を聴く― 」
という勉強会でした。
(この内容は「ミシマガジンhttp://www.mishimaga.com/にて後日詳細がアップされる予定です)

この瀧本さんはなんと御年93歳!
小学校を中心に、
依頼を受けて自分の体験をお話しになっているとのこと。

お話は次の4部構成でした。
1戦争前の世相
2ミッドウェイ大戦の敗退
3トラック島での大空襲と飢餓
4結びに代えて

1の世相については、
 私も幼いときよく学校で聞かされていた、国による洗脳についてです。
 教育の中に、自然と政府の意図が組み込まれていて純粋な素直な子供た
 ちは、まっさらな心に政府の思惑を描かれてしまっていたようです。
 つまり、小1になるとすぐ
 「お国のために命を投げうって国を守り、死して靖国で神となる」
 を植え付けられていたので、何の不思議も疑念もなく、17歳で志願兵と
 して海軍に入ったと。
 これは、実は次の教育指導要領の中からすでに始まっています。
 「道徳」教育に付随する「解説」の編集を手伝っていたY先生が、
 政務官が後からある一文をどうしても入れよとごり押ししてきたとか。
 それは、環境問題を材料にしつつも「集団的自衛権」の考え方を子供に植
 え付けるような一文だったので断ると、それでもどうしても入れよと
 再三の命令が重なり、仕方なく入れざるを得なかったと。
 普段なら何ということのない一文だったが、ごり押ししてくるという態度から、
 Y先生が警戒なさったのも頷けます。
 しかたなくY先生は、入れよといわれた
 (環境問題など地球規模の問題が増えてきている。一国だけで解決できない
  問題が多い)というこの一文の後に
 「そのためには国際的な理解が大切である。互いに話し合い、他国の事情を
  よく知る必要がある」という文を入れて、戦闘での解決に走らないように
 配慮したとおっしゃっていました。


2ミッドウェイ海戦のこと
 当時連戦だった日本は全く危機感なく「かが」「あかぎ」「そうりゅう」
 「ひりゅう」の空母をミッドウェイに配置。しかし、その時すでに、アメリ
 カは日本の暗号解析を完ぺきにこなし、日本の情報は筒抜けだった。それに
 気づきもせず、油断に身を許していた4隻の軍艦はすべて撃沈されたのだそう
 です。たくさんの弾薬を搭載していた軍艦はひとたまりもなく燃え盛り、飛び
 立っていた戦闘機は戻る場所がなく、上空でくるくる回って、やがてガソリン
 が尽きてみんな海に墜落したとか。
 滝本さんは、弾薬庫から離れた空間に避難したため命を取り留めたが、多く
 が焼死しました。滝本さんは被弾して長崎の病院に収監。そこでなぜか外部
 との連絡を取れないよう隔離されたと。その理由は、新聞には大敗したはずの
 ミッドウェイ敗戦結果が、半分ほどに減らされて歪曲した情報が新聞に載るのを
 滝本さんたち生き残りの兵卒の目に触れさせないようにということだったとか。
 でも、親切な看護師さんがこっそり新聞を見せてくれたと。こういう時代にも、
 きちんとした認識の人はたくさんいたんですね。滝本さんはそこで、国が言っ
 てることは嘘なんだとはじめて気づいて愕然とした。¥とおっしゃっていました。

3その後トラック島へ派兵される。
 トラック島と聞けば、「え! あの島に?!」と驚く人がいるほど悲惨な末路を
 たどった島です。ここの設備は、囚人1600人を投入して作られたが、完成して
 わずか半年足らずで、大空襲で壊滅状態になってしまいました。上層部はその
 前日あろうことか、わざわざ日本本土にある料亭の「トラック島」支店を作らせ
 そこでどんちゃん騒ぎをしていたんだとか。これだけ聴いても、当時の権力や利
 権を持っていた人間が戦争を本気でしていなかった。つまり自分たちの利益や遊
 戯的気楽さで行っていたということが分かります。
 大空襲後、毎日来るB29に怯えながら、滝本さんたちは飢餓と戦っていたとか。
 毎日森の葉っぱを海水でゆでて食べていて、便はいつも緑色だったといいます。
 飢死にする仲間を埋葬するための墓穴を掘る力も出なかったということでした。

4おじいさんの伝えたいことは、2つ。
 *何でも情報をうのみにせず、考えてほしいということ。
  政府やメディアの情報は本当にそうなのか。伝わっていない隠された情報があるの
  ではないか。一つのことでも多面的に見て自ら考える力を持ってほしい。ということ。
 *そして、自分たちの命が軽んじられている、おかしい、と感じた時は、もっと声を
  大にしてしっかり怒りを表現すべきだということ。

 戦争は、ある一部のものを儲けさせるために行われることが多いです。
 実際今のアメリカはそうです。そんなことは表に出てこないが、みんなが命を虫けらのように
 使い捨てにされている中で、一部の者たちは莫大な資産を築き上げる。そんなことに命をとら
 れてたまるか!とみなさんにも怒ってほしいです。
 ここに書ききれなかった情報も、いくつかあります。その情報はTV何かでは報道されること
 はありません。とても大きなことなのに。つまり報道規制が敷かれているということ。そう思
 うとマスメディアにもガッカリです。もっと気骨をもって事実を伝えてほしい。そう思います。

 今年、教員免許更新講習を受けなかったら、私はきっとこの問題について目を向けなかったで
 しょう。到底知りえない恐ろしい情報を得、Y先生に政府が国民の見えないところでこっそり
 教育という「聖域」を侵し始めたことを聞き、我慢ならなくて、京大の勉強会にも出させてい
 たきました。
 私は非常勤講師ではありますが、常に子供に正しい選択をしてほしいと願って物を教えていま
 す。昔は、自分の思想を授業時間を潰してでも教え込もうとする先生もいました。私はそれだ
 けはするまいと、自分の意見を述べた後には必ずそれとは違う意見もたくさん紹介し、「あな
 たたちで考えてほしい、私が言ったから私の考えが正しいんだなんて思ってはいけない」と、
 考える人に育ってくれるように心を砕いて教えて来ました。それなのに、国が自分たちの都合
 のいいように、科目名を変えたり教育内容を変えて、子供、国民を洗脳しようとするのは、我
 慢なりません。
 「現代社会」が「公共」という科目に変わるということも、Y先生より窺っていましたが、
 「個」と「公」どちらを優先すべきかという教え方だけはやめてほしい。バランスが大事だと
 教えてほしい、そう願ってやみません。お国のために、とよく昔は言ったもんです。でもあれ
 は実は、ある特定の利権を持った人たちのために、だったんです。決して国家のために行われ
 た戦争ではなかったのだと、わかっておいてほしいのです。
 個人の命を大事にしてほしい。だってそれが結果は国家を作るのです。国家のために個人の命
 なんか虫けらのように扱われるなんて、あってはならないと思います。
 
 知恵と力量をもって、どんな国とも平和的に渡り合っていける。
 そんな国になってほしい。切に願っています。

 
by mika-atori | 2015-08-14 09:09 | 日々のこと

日々のことをおもいつくままに書いています。


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